第1回 キルトジャパンコンテスト入賞作品発表
26回にわたり開催してきたキルトジャパン賞が、「キルトジャパンコンテスト」として新たにスタートしました! 第1回目は、2017年5月にオープンした㈱日本ヴォーグ社のクラフティングアートギャラリー及びセミナールームにて開催しました。A部門:ミニタペストリー「テーマ:音楽」とB部門:袋ものの2部門で募集。本審査は、斉藤謠子さん、阪本あかねさん、石上友美(本誌編集長)によって行われ、各賞が決定しました。協賛社賞もあわせ、計142点の入賞作品を発表します。
第一次審査/2017年6月22日 第二次審査/2017年7月27・28日
応募数/A部門204点・B部門131点 計335点
撮影/森谷則秋
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グランプリ
金賞
藤井千恵(岡山県)
「シーラカンスとモンガラカワハギ」 23×28×7cm
- 作者のコメント
- 幼き頃、母と見たシーラカンス展。彼とデートした水族館で見たモンガラカワハギ。どちらもおもしろい魚なのでバッグにしてみました。
- 審査員からのコメント
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斉藤謠子:デザインはもちろん配色も素晴らしく、おしゃれで実用的です。ベースのウールにもしっかりと手を加えられています。
阪本あかね:いろいろな素材が組み合わされていて、ユニークな仕上がりです。元の素材にうまく手を加えてアップリケとの相性が良く、持ちたいと思えるバッグです。
石上友美:バッグの前後、持ち手など、どこを見てもおもしろいデザインです。ベースの生地や魚の素材感も工夫されています。
銀賞
虻川ルミコ(埼玉県)
「Guitar ~ジグザグポップな音色で~」 74×70cm
- 作者のコメント
- 銘仙の幾何学模様とジグザグステッチで、音の響きを表現できたらと思いました。POPにJAZZYに。
- 審査員からのコメント
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斉藤謠子:色使いも布使いも抜群です。トラディショナルパターンと現代風のエレキギターという一見ミスマッチのように感じるものがうまくまとめられています。
阪本あかね:背景のUSAコットンと、ギター部分の銘仙が違和感なく合っていて、お互いに引き立て合っていい効果を出しています。
石上友美:ギターの大胆な構図が目を引きます。銘仙という和の素材でギターを表現しているところにおもしろみがあります。
前田景子(北海道)
「Happy Birthday」 80×80cm
- 作者のコメント
- ロウソクが110本! たくさんの人のバースデイを皆で歌いましょう。♪の中でもローソクが歌いケーキも歌って皆でカンパイ!
- 審査員からのコメント
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斉藤謠子:パーティーを祝う楽しげな雰囲気がよく表現されています。一見アップリケに見えるようなロウソク、ケーキ、旗などがすべてピースワークで作られているのも見事です。
阪本あかね:要素が盛りだくさんですが、構図のバランスが取れています。ハンドとミシンをうまく使い分け、それぞれの良さが出ています。
石上友美:細部までこだわって作られており、80cmの世界の中にそれぞれの要素がバランスよく配置されています。
木内明子(千葉県)
「ナンチャッテバスケット」 25×19×15cm
- 作者のコメント
- 憧れのナンタケットバスケットを布で作ってみようと思い一目一目丁寧に編み上げました。内袋は透け感のあるオーガンジーにしました。
- 審査員からのコメント
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斉藤謠子:テープの幅を下から上へと変えてあるのですき間がなく、しわもなくきれいに編まれています。布のかごは実用にも優れているのでいいですね。
阪本あかね:布でここまでカチッとした質感を出せるのは、計算力と技術力がすぐれているからだと思います。とても手が込んでいて完成度が高く美しい作品で、使いたくなりました。
石上友美:まるで布ではないような、端正な編み目が素晴らしいです。
橋本桂子(京都府)
「サッシュベルトをしたバッグ」 22×37×10cm
- 作者のコメント
- 流行のサッシュベルト。バッグなら取り入れられると制作しました。ウール素材でのバッグ作りは楽しいです。
- 審査員からのコメント
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斉藤謠子:ボタンや底の赤い色が効いていてバッグの形も素敵です。革が使われていて形もユニークなので仕立てが大変だったと思いますがきれいに仕上がっています。
阪本あかね:アップリケが素晴らしく、また着せ替えもいいアイデアで楽しめます。形のバランスがよくバッグ本体も完成度が高い仕上がりです。
石上友美:ウール、刺しゅう、いろいろな素材を使ったボリューム感のあるアップリケが魅力です。ベース部分も暗めの同系色でつないで工夫されています。
審査員賞 A部門(ミニタペストリー)
種﨑規子(福岡県)
「strike up」 78×78cm
- 作者のコメント
- 思い思いの楽器を手に小人たちが集まってきましたよ。さあ演奏が始まります。全ての人が自分らしい音色を響かせられるように祈って。
- 審査員からのコメント
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斉藤謠子:中央部分や三角つなぎなど、生地の使い方に工夫があって素敵です。まさしくトラディショナルパターンを使ってうまくまとめられた作品です。
阪本あかね:トラディショナルパターンで音楽を表現することは難しかったと思いますが、配置、刺しゅう、アップリケなどすべてが計算された作品です。
石上友美:最初の製図の段階からシンメトリーに考えられていてきれいです。ピースワークの間にある刺しゅうも動きを出しています。
審査員賞 B部門(袋もの)
協賛社賞