第4回キルトジャパンコンテストの審査会が㈱日本ヴォーグ社にて開催されました。
今回はA部門:ミニタペストリー「テーマ:私の宝物」とB部門:袋ものの2部門で募集。本審査は上田葉子さん、岡野栄子さん、キルトジャパン編集部によって行われ、各賞が決定しました。協賛社賞もあわせ、計143点の入賞作品を発表します。
第一次審査/2020年6月19日 第二次審査/2020年7月30日
応募数/A部門181点・B部門147点 計328点
撮影/森谷則秋
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グランプリ
栗森貞江(広島県)
「キルティングってたのしいな」 80×80cm
- 作者のコメント
- フェルトのブローチを見た時、何か作品にならないかなと考えました。最初に作ったのは船に乗った鳥。時間はかかりましたが楽しくて、ひと月に1枚ずつ作りました。
- 審査員からのコメント
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上田葉子:オリジナリティーがあり、エネルギッシュで個性が伝わります。
岡野栄子:独自の手法を用いていて大胆な色彩。見ているだけで元気になります。
編集部:色とりどりで見ていて楽しく、私の宝物というテーマにも合っています。
金賞
白石理枝(愛媛県)
「骨董の鉢・Antique bowl」 80×75cm
- 作者のコメント
- ベロ藍と呼ばれる明治の器の壁かけです。嫁ぎ先から4皿、実家から2鉢出てきた、大らかな絵柄に心惹かれます。
- 審査員からのコメント
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上田葉子:細かい柄がステッチで繊細に表現されています。
岡野栄子:柔らかい素材で固い器を表現しているところがおもしろく、布の使い方も上手です。
編集部:見たことのない新鮮なデザインで、配色も素敵です。
市川祐子(愛知県)
「Let's go on a journey (旅に出よう!)」 28×36×10cm
- 作者のコメント
- コロナ自粛の中、どこか旅に出かけたいな!と思いながら、いろいろな刺しゅうを刺して作りました。
- 審査員からのコメント
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上田葉子:配色とテクニックが合っていて素晴らしいデザイン。普段使えそうなバッグです。
岡野栄子:色彩感覚や刺しゅうのテクニックが優れていて、持ちたいと思うバッグです。
編集部:細かく刺しゅうされ手が込んでいて、色もおしゃれです。
銀賞
関谷みよ子(新潟県)
「県北の冬」 59×70cm
- 作者のコメント
- 私の住んでいる新潟県の宝物は、村上の三面川で取れる鮭です。魚の一部には宝物の大島紬を使いました。
- 審査員からのコメント
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上田葉子:鮭の皮を表現するのにメタリックや和の素材を上手に使っています。
岡野栄子:うろこの表現が上手です。色々な素材を使いながら全体がまとまっています。
編集部:奥行や立体感が感じられ、テクニックはもちろんデザインも素敵です。
戸松恵子(新潟県)
「愛おしい」 79×79cm
- 作者のコメント
- 令和元年、3人目の孫を抱くことができました。ありがたくて嬉しくて愛おしくて言い表すことができないくらい、3人の孫は私の宝物です。
- 審査員からのコメント
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上田葉子:大切な家族ということがよく伝わります。兄弟のじゃれ合う様子に心が和みます。
岡野栄子:「私の宝物」ということが本当によく伝わってきて、温かみが感じられる作品です。
編集部:立体的で、今にも動き出しそうな感じがよく表現されています。
岩崎悦子(静岡県)
「ウール・毛糸・ボタンのコラボ」 22×37cm
- 作者のコメント
- フランスのボタンが好きで、どの作品にもつけています。ニードルパンチ用ミシンを使って花を作り、かわいくできました。
- 審査員からのコメント
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上田葉子:異素材を上手に使っていて、存在感があります。
岡野栄子:冬の素材を上手に組み合わせています。コートに合わせたいと思うバッグです。
編集部:形がおしゃれで、立体的なモチーフもポイントになっています。
西垣光子(神奈川県)
「Blue Rose Bag」 28×28×4.5cm
- 作者のコメント
- 自由に描いた図案をフリーモーション刺しゅうし、青いバラのデザインでしっかりした丸いバッグに仕上げました。
- 審査員からのコメント
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上田葉子:刺しゅうとアップリケの組み合わせが上手で、図案とバッグの形がマッチしています。
岡野栄子:アップリケにより刺しゅうが引き立っていて、センス良くまとまっています。
編集部:大胆なデザインで色も素敵。持ちたいと思うバッグです。
審査員賞 A部門(ミニタペストリー)
高尾千恵美(神奈川県)
「ダイニングテーブル」 79.5×69cm
- 作者のコメント
- 毎日ここで食べ、ここで縫い創り描く、家族の集まる大切な場所。磨く度に見つかる傷や染みも全部愛おしい、かけがえのない相棒です。
- 審査員からのコメント
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上田葉子:背景のモダンな配色のログキャビンに大きなテーブルがアップリケされ、シンプルで伝えたいことがダイレクトに響いています。
壁谷幸枝(愛知県)
「万葉集[梅花の宴]」 78.5×78.5cm
- 作者のコメント
- 元号「令和」の出典の万葉集[梅花の宴]の場面を、家族や親戚の着物を使って作りました。私の宝物となりました。
- 審査員からのコメント
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岡野栄子:刺しゅうや布で、いろいろなものが繊細に表現されています。努力して作られたことがよく伝わります。
鈴木惠子(山形県)
「夫の畑の野菜たち」 80×80cm
- 作者のコメント
- 夫の趣味は、畑で様々な野菜を育てることです。時に「えっ?!」と驚くような形の物もありますが、新鮮で美味です。まさに私の宝物です。
- 審査員からのコメント
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編集部:ログキャビンの土台の上に、アップリケと刺しゅうで丁寧に野菜が描かれていて、ハンドキルトの良さが感じられます。
城取佳恵(長野県)
「はーちゃんとの118日間」 80×80cm
- 作者のコメント
- 「宝物」と聞いて真っ先に孫が浮かびました。切迫早産で少し長い里帰り出産。寝たきりの娘、24時間の孫との時間は、大変でもあり私の幸せな時間でした。
- 審査員からのコメント
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上田葉子:家族の思い出がちりばめられていて、ハンドメイドのぬくもりが感じられます。
岡野栄子:まさにトラディショナルキルトの原点。テーマに合っていて心温まる作品です。
編集部:刺しゅうとアップリケが丁寧で、配色も落ち着いていて素敵です。
市村文子(大阪府)
「静かな街」 32×40×19cm
- 作者のコメント
- 好きなジーンズ2本をリメイクし、持ち手は縫い代を切って作りました。大小の四角形をつなぎ合わせたら、街のようなイメージに仕上がりました。
- 審査員からのコメント
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上田葉子:大小のピースがバランスよく配置され、前後左右どこから見ても素敵。大きいのに軽くて実用的です。
市川淑子(埼玉県)
「Fig Tree」 20×36×12cm
- 作者のコメント
- いちじくの木の自由な成長が楽しくて、バッグのモチーフにしました。いろいろな肌触りの素材で生命力を表したいと考え制作しました。
- 審査員からのコメント
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岡野栄子:ざっくりした素材をアップリケしていて、シンプルながら絵になります。持ちたいと思うバッグです。
水口和恵(広島県)
「SIMPLE」 38×38×2cm
- 作者のコメント
- 2色の麻布のみで、どんな装いにも持てるように、と考えて作ったバッグです。
- 審査員からのコメント
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編集部:一枚布のように見えますが細かくパッチワークされています。またツートーンの配色もいさぎよくておしゃれです。
特別賞
鈴木キルト(愛知県)
「一千万人針バッグ」 40×45×30cm
- 作者のコメント
- 昔、千里行って千里帰る「千人針」がありました。今は、コロナを追い払うために、それ以上の力が必要です。「一千万人針」で退治したいです。
- 審査員からのコメント
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3名の審査員からのコメント:コロナ撃退というテーマが今の世の中に合っています。まるで彫刻のようでインパクトのある作品です。
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