第5回キルトジャパンコンテストの審査会が(株)日本ヴォーグ社にて開催されました。
今回はA部門:ミニタペストリーテーマ:幸せとB部門:袋ものの2部門で募集。本審査は、斉藤謠子さん、笹倉幸子さん、キルトジャパン編集部によって行い、各賞が決定しました。協賛社賞もあわせ、計155点の入賞作品を発表します。
第一次審査 2021年6月21日 第二次審査 2021年7月29日 応募数 A部門225点・B部門176点 計401点
撮影/白井由香里、森谷則秋
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グランプリ
土田祐子(福岡県)
「空からの恵み」 80×80cm
- 作者のコメント
- 恵みの雨に小さな生命が輝く様子をアップリケで表現しました。一匹一匹をワクワクしながら仕上げました。その時間こそが幸せ。
- 審査員からのコメント
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斉藤謠子:絵本から飛び出たようなデザインで、生地・色使いが上手いです。
笹倉幸子:バックのグリーンのグラデーションが立体的で効果的ですね。楽しい作品です。
編集部:虫たちや植物の生き生きとした時間がアップリケとステッチでとてもよく描かれていて素晴らしかったです。
金賞
関谷みよ子(新潟県)
「メルヘン」 80×80cm
- 作者のコメント
- メーテルリンクの「青い鳥」をイメージして、ほぼ線だけで表現しました。
- 審査員からのコメント
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斉藤謠子:糸の色での表現が素晴らしいです。葉の刺しゅうがパッチワーク風なのも良いですね。
笹倉幸子:物語が浮かびますね。キルティングでの表現力が感じられます。
編集部:濃色の土台にミシンキルティングで描く模様がとても新鮮で驚きました。
橋本桂子(京都府)
「ぼこぼこbag」 30×36×13cm
- 作者のコメント
- シンプルなコートに合わせるウールのバッグです。リバースアップリケで立体感を出し、ファスナーを閉じてマチを収納できます。
- 審査員からのコメント
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斉藤謠子:丸と四角のコントラストが面白いです。色使いも素敵で実用的なところが良いです。
笹倉幸子:モダンなデザインで、仕立てが考えられていてとても良いです。
編集部:ランダムな四角のピースがとてもおしゃれ。持ち手から続くファスナーでマチを変えられる工夫もよいです。
銀賞
市村文子(大阪府)
「ありふれた日常」 79×79cm
- 作者のコメント
- コロナはなにげない日常の大切さを教えてくれた。マスクを外して友と大きな声で話す歌う、そんなありふれた日常を取り戻したい。
- 審査員からのコメント
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斉藤謠子:中央の人の表情が楽しいですね。生地のテクスチャーを上手く使っていてメタリックが効いています。
笹倉幸子:ボーダーがモノトーンなのが効いていますね。色の使い方、構成が上手いです。子供部屋に飾りたくなるキルトです。
編集部:配色もキルティングもバランスよく、見ていると楽しくなってくるキルトです。
黒木せいこ(神奈川県)
「ランタンナイト Ⅰ」 75×78cm
- 作者のコメント
- 横浜で見たランタンナイト。様々なランタンが風に揺れていました。その一つひとつが、幸せを願っているようでした。
- 審査員からのコメント
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斉藤謠子:土台のピースワークを感じさせない配色が良いですね。ランタンが引き立っていて、目を引くデザインです。
笹倉幸子:ランタンの配置がバラバラになっていて構成が面白いです。ランタンの明かりの表現も良いです。
編集部:夜空に浮かぶランタンが幻想的に描かれ、作者の思いを感じました。
水口和恵(広島県)
「BIGPATCHWORKのビッグなバッグ」 38×31×16cm
- 作者のコメント
- 大きなピースをつなぎ、少ない色数でミシンキルトをしっかり全面にし、大好きな大きなトートバッグを作りました。
- 審査員からのコメント
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斉藤謠子:グレー、紺、英字のバランスが良いです。自分も持ってみたいと思うバッグです。
笹倉幸子:シンプルで年齢問わず持てそうなデザインですね。そぎ落とされたデザインが良いです。
編集部:シックな配色でさりげないパッチワークがモダンです。持ち手のバランスも素敵です。
藤井千恵(岡山県)
「イェーイ!チンパンジー!」 39×36×6cm
- 作者のコメント
- ウール生地のハギレを使って、チンパンジーが誕生しました。アフリカのジャングルで遊んでいる姿を表現しました。
- 審査員からのコメント
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斉藤謠子:チンパンジーの表情がユニークで愛らしくて素敵です。背景のグリーンとイエローが効いています。
笹倉幸子:リアルな表情がユニークで楽しいデザインですね。
編集部:ぶら下がるチンパンジーが印象的なバッグ。パイピングも引き締め役になっています。
審査員賞 A部門(ミニタペストリー)
高尾千恵美(神奈川県)
「コーヒー淹れようか。」 77.5×77.5cm
- 作者のコメント
- 正しく豆を挽く、重さを量る、時間を計るでこんなに美味しいとは!よく知っているはずが改めて学び直すと、それは発見になる。
- 審査員からのコメント
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斉藤謠子:パッと見て好きなデザインだと思いました。背景の青と白と、コーヒーの茶色の組み合わせがモダンで素敵です。しずくの中の幸せそうな顔が楽しい作品ですね。
小林加代子(埼玉県)
「Sweets スイーツ Sweets」 80×80cm
- 作者のコメント
- ミニキルトを作るのが大好きです。本物のスイーツを前に、どの布が美味しく見えるかな…背景は何?と、考えながら楽しく作りました。
- 審査員からのコメント
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笹倉幸子:スイーツのテーマが目を引きました。9 枚のミニキルトを空間をあけてつなぎ、一枚布のボーダーでまとめているところが面白いと思いました。
疋田るり子(大阪府)
「春を待つ」 78×79cm
- 作者のコメント
- コロナ禍に思う春の過ごし方。いつかまた、人々が心おきなく花々を愛で、集い、楽しめる春が戻ることへの願いを込めて。
- 審査員からのコメント
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編集部:タイトルの通り、春を待つ心が感じられるような素敵なデザインと配色のポジャギです。丁寧な針仕事の中にグリーンがアクセントになっています。
橋本明日香(岐阜県)
「Miracle turn」 75×75cm
- 作者のコメント
- 元気な孫達がちょっとふざけてくるくる回る様子をイメージしました。いつも明るく元気でいて欲しいという願いを込めて。
- 審査員からのコメント
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斉藤謠子:配色が素敵ですね。色々な要素が入っていますがバランスが取れています。ボーダーに規則性がないのが作品とマッチしています。
笹倉幸子:ログキャビンとリバースアップリケの組み合わせが面白く、トラディショナルですが現代的な印象です。
編集部:トラディショナルパターンを配色とデザインで遊んで、動きのある楽しいキルトになっていると思います。
審査員賞 B部門(袋もの)
市川祐子(愛知県)
「波(Wave)」 26×30×10cm
- 作者のコメント
- 海に泳ぐ魚を表現したくて、刺繍で波のウェーブ感を出しました。お魚君泳いでどこに行くの?どこまでも泳いで行ってね!
- 審査員からのコメント
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斉藤謠子:ミニポーチの魚に目が行きました。細かい刺繍やスパンコールを縫いとめるなど手が込んでいます。本体は波を表現しているのが素敵ですね。
近康予(東京都)
「フラワーオーガンジー」 20×35×10cm
- 作者のコメント
- 不規則で動きのあるシャドーミシンキルトを作ってみました。糸と生地の色を合わせる事で一体感が出せたと思います。
- 審査員からのコメント
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笹倉幸子:難しいシャドートラプントを大胆にバッグに使用していて素晴らしいです。色使いも素敵です。
小野政子(北海道)
「カラフルな石畳」 30×34×14cm
- 作者のコメント
- 古い石畳を歩く時、幸福な気分になります。これは、パッチワークと似ているからかもと気づきました。その気持ちを表現してみました。
- 審査員からのコメント
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編集部:石畳のようなピースを刺しゅうで引き立てたデザインです。持ちやすそうなバッグの形とデザインのモダンさの組み合わせが目を引きました。
特別賞
藤本容子(東京都)
「こけしソーイングポーチ」 20×8×6cm
- 作者のコメント
- 竹尺、ボタン、こけし、と大好きなまんまるをてんこ盛りに。大事なもの、楽しい時間を運んでくれる相棒です。
- 審査員からのコメント
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斉藤謠子:非常に目を引く作品でした。アイディアが素敵です。また是非挑戦してほしいです。
笹倉幸子:表情がかわいいですね。内側の仕様も凝っていて、作者のこだわりが感じられました。
編集部:審査会場でも注目を集めた作品です。こけしの造形がとてもよく表現されています。
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