池 敬子さん
1970年頃、独学でキルト制作を始める。1980~1992年クロワッサン全国創作壁掛けコンクールで「夕映え」が第12回黄金の針賞を受賞。以降国内外のキルトコンテストで受賞多数。2002年より東京国際キルトフェスティバル招待作家。現在、ミシンキルトの指導に力を入れ、海外講習会やキルト雑誌などで作品を発表している。
http://quiltbee.net/
池さんのキルトの原点は、家族が日常に使うもの。だから汚れたら洗濯を繰り返し、縫い方や素材の検証も兼ねてきた。子育ての間も子供が噛んでくちゃくちゃになったり、遊山(野外で遊ぶことを高知地方ではそういう)時の敷物になったり、時には子供の体調が悪くてもどした時、キルトで受け取ったという出番もあった。でもそうやって使って欲しかったし、いつも何かしら家族のために塗ってきたが、それが一番嬉しく楽しいのは自分だったという。
一方では実用から離れた作品としてのキルトも作りたかったし、先生を持たない自分のキルトがどれくらいのものか批評を受けたいという気持ちもあった。そこでクロワッサン「黄金の針賞」や海外のコンテストに応募し始めた。
―本文より一部抜粋― キルトジャパン2011年3月号より
- 旅行の時、バニティーケースにもなる、夢のお針箱。お揃いのポシェットも制作。
- お針箱の中には、4つの小もの入れがきちんと収納できる。外側はシック、ふたを開けるとポップなイメージに変身。
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『ZONE』2003年制作 190×190cm
デザインができて10年以上、いろんな布で何度も試し縫いをしたものが、ある時、ベースのグラデーションの布に出合ったことで一気に仕上がった作品である。古いデザインと新しい布、長い年月を経てできた細いラインのテクニックがマッチして力強い作品となった。(桂浜で撮影) - 自宅2階のリビングルームにはふだん使いのキルトがいっぱい。