用具・材料
用具
好きな色、好きな素材の糸やリボンで、絵を描くように楽しめるのが刺しゅうです。技法はいろいろありますが、まずは簡単なステッチで自由に刺してみましょう。
はじめは1本の針とカラフルな糸、ほんの少しの布があれば大丈夫です。
刺しゅう用針:フランス刺しゅう針/クロスステッチ針
一般的なヨーロッパ刺しゅうをする時にはフランス刺しゅう針を使います。刺しゅう針は糸が通しやすいように針穴が大きくなっています。針先は布地が通りやすいようにとがったものや、キャンバス地を刺すために先が丸くなったものなど、いろいろあります。布地やステッチの技法に合った針を選ぶようにしましょう。
【フランス刺しゅう針】
【クロスステッチ針】
糸
刺しゅう糸で多く使われているのは、25番と5番です。ほかにも毛100%のタペストリーウールやラメ糸など種類はいろいろ、色数も多く揃っています。デザインや用途によって適した糸を選びましょう。
【刺しゅう糸25番】
【刺しゅう糸5番】
【こぎん糸】
【アブローダー】
【タペストリーウール】
【ラメ糸】
針と糸と布のつりあい
針 | 刺しゅう糸 | 布の厚さ | ||
---|---|---|---|---|
25番 | 5番 | |||
フランス刺繍針 | 3・4番 | 5・6本どり | 1本 | 厚地 |
5・6番 | 3・4本どり | 中位 | ||
7~10番 | 1・2本どり | 薄地 |
針 | 糸 | 布の厚さ | |
---|---|---|---|
とじ針 | 15~17番 | 並太タイプ | 厚地 |
18番 | タペストリーウール(ニードルポイント) | 厚地 (キャンバス地) |
|
20番 | 極細~中細タイプ | 中位 |
刺しゅう枠
刺しゅう図案を布地に写したら、刺しゅう枠にしっかり固定すると、仕上がりがきれいになります。いくつかサイズもありますので、でき上がりの大きさに合わせて選んでください。丈夫な調節金具がついたものが良いでしょう。
材料
布
■天然素材
素材 | 特徴 |
---|---|
木綿(コットン) | 吸湿性、保温性に優れた扱いやすい布。繊維が強いので、洗濯、漂白が簡単にできるが、シワになりやすい。ドライクリーニングが必要なものもあるが、アイロンは通常高温のスチームアイロンで。 |
麻(リネン) | サラサラした肌触りで、放熱、放湿性に富む。丈夫で長持ちするので、衣類だけでなくキッチンクロスのようなリネン類にも使用される。洗濯は家庭用の漂白剤はさけ、水洗いがおすすめ。アイロンは霧と高温スチームで。 |
絹(シルク) | なめらかな感触と光沢が魅力。摩擦に弱く、水分を含んだ状態で摩擦をするとけば立つので、ウォッシャブル以外は水洗いをさける。紫外線に当たると黄色に変色し、水分を与えるとシミになり縮むので保管には注意が必要。アイロンはドライの中低温で。 |
毛(ウール) | 主に動物の毛から取った繊維で、伸縮性、弾性、保温性に富んでいる。水分を含ませこするとフェルト化する。アイロンは当て布をしてスチームの中温で。 |
■化学繊維
素材 | 特徴 |
---|---|
レーヨン | 絹に似せてつくられた再生繊維で、絹に似た美しい光沢や感触が特長。吸湿、放湿性がよく、熱に強いが、水分を含むと強度が低くなるほか、部分的に水にぬれると汚れが残ることもある。アイロンはスチームで中温かドライで低温。 |
ポリエステル | 摩擦や強度に強く、耐久性に優れている。水洗いでき、速乾性もあり、シワになりにくい。吸湿性が低いので、水にぬれても乾きやすいが、静電気が起きる。テカリ防止のためアイロンは当て布をする。 |
ナイロン | 弾力性に富み、強度が高い。日光に当たると黄変するので、陰干しする。伸縮加工しやすいので、ストッキングや水着などに用いられる。アイロンは低温で。 |
アクリル | ウールに比べ摩擦に強く耐久性、耐光性に優れている。吸湿性が低いので、水にぬれても乾きが早い。アイロンは高温にすると溶けることがあるので低温で。 |
ポリウレタン | 引っ張ると伸びるゴムのような性質があるので、混紡のストレッチ素材に利用される。水洗いの場合、優しく手洗いか、洗濯機はネットに入れる。スチームアイロンはさけ、ドライの低温で。 |